瀬戸内海で2番目に大きい小豆島を隅々まで楽しむ方法 予習ラジオ
高松港からフェリーで約1時間、岡山県や兵庫県とも繋がる小豆島。「島を巡るには何日必要?」「予約必須のものって?」「複数の移動手段の賢い組み合わせ方は?」島に通ってわかった注意点や、島内アクセス・飲食店などの基本情報、おすすめの過ごし方などをご紹介します。
しまたびのコツと合わせて予習しながら、素敵な島旅におでかけください。
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島暮らしのアナウンサー
まな
島暮らしのアナウンサー
まな
横浜出身。学生時代に訪れた瀬戸内国際芸術祭をきっかけに島に惚れこみ香川に移住・瀬戸内海放送に入社し、島のアート・伝統文化・生活など幅広く取材。2024年春から念願のプチ島暮らしを開始。
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毎週島に通うライター
はやぴん
毎週島に通うライター
はやぴん
岡山出身。雑誌の編集長を務めたのち、2021年からFM香川の島番組のブログ執筆で毎週のように小豆島に通うように。島の暮らしや移住情報、伝統やイベントなど小豆島を幅広く取材中。
小豆島は瀬戸内海で淡路島に次いで2番目に大きい島で、瀬戸内国際芸術祭2025では、春・夏・秋会期すべてで会場になっています。アート以外の名所や観光スポットも多く、芸術祭がある年以外でも普段から多くの観光客が訪れています。とくに秋は寒霞渓(かんかけい)という紅葉の名所が人気です。ロープウェイで上ると渓谷に赤や黄色の紅葉が広がって、まるで紅葉のじゅうたんのような美しい景観を楽しむことができます。
自然が豊かなだけでなく、古くは江戸時代から続く産業も多くあります。昔から瀬戸内海の交通の要衝でもあったため、大阪を中心とした関西地方との人やモノの交流が盛んだったこともその原因の一つです。今も続く醤油やそうめん作りは、江戸時代から続いている産業です。また、島内の中山地区や肥土山地区に伝わる農村歌舞伎は、大阪から持ち込まれた文化で、それが島という特殊な環境のなかで独自に発展して今に受け継がれています。
香川県のほかの島、例えば男木島や直島と比べると、小豆島はかなり広い島です。人口も約2万5,000人と多く、飲食店やコンビニ、ドラッグストアなども複数あるため、島への旅がはじめての人も安心して楽しめる島だと言えます。一方で食料品や日用品を買うスーパーや総合病院もあり、観光客だけでなく暮らす人にとっても住みやすい島です。小学校、中学校、高校もあるため、子育て世代の移住者が多いのも特徴です。
高松港からの所要時間はフェリーで1時間、高速艇なら35分程度です。小豆島にはフェリーが着く港が4つあり、高松だけでなく岡山、姫路、神戸とも直接つながっています。フェリーには車両の積載ができるため、自家用車で島を訪れて観光する人も多くいます。フェリーの中の売店で食べられるうどんも、観光客に人気のコンテンツとなっています。
小豆島は広いだけでなく高低差もあるため、自転車で目当ての観光スポットをすべて回るのは難しいかもしれません。広い範囲を回るなら、自動車があるとストレスなく移動できるのでおすすめです。また、島内にはオリーブバスという路線バスが走っているほか、芸術祭の期間中は人気のアート作品があるエリアへの特設バスもあるので、バスを使うと効率よく回れます。ただし連休や週末は利用者が多いので希望する時間に乗れない可能性もあります。そういうときは、シェアサイクルを使ったり、場合によっては少し歩いたりするのもいいかもしれません。島の中でも地域によって集落の雰囲気や見える景色が違うので、自転車や徒歩でのゆっくりとした移動や、待ち時間も楽しみながら回ってみてください。
島内全体を移動するなら車があると便利です。レンタカーは港で借りられますが、土日や連休はすぐに予約が埋まってしまうので、旅行の予定が決まったらすぐに予約するのがおすすめです。2泊3日の旅なら、1日目はレンタカーで遠くにある観光地を回り、2日目はバスの便がいいエリアをバス+シェアサイクルで回り、3日目は港の周辺をレンタサイクルや徒歩で楽しむというスタイルもいいでしょう。そして、宿泊した人だけが見られるのが島の夕日です。小豆島にも夕日が有名なスポットがあり、そこには瀬戸内国際芸術祭2022のアート作品が常設展示されていて、とても美しい景色を楽しむことができます。
フェリーに車を載せる際は、空きがあれば予約なしでも大丈夫ですが、観光客の多いシーズンはまれに満車になることがあるので、何時の便に乗るかが決まっているなら事前に予約しておきましょう。人だけの乗船の場合は予約の可・不可がフェリー会社によって異なるため、事前にホームページなどで確認してください。飲食店も、ほかの島に比べて多いとはいえ、ハイシーズンは満席で入れないこともよくあります。事前予約が可能な店は、予約をしておくと安心です。
小豆島は、数年前から持続可能な観光に取り組んでいます。持続可能な観光とは、観光によって消費されるのではなく、観光で発展していける地域を目指そうというもので、オーバーツーリズム対策をはじめゴミ対策、交通対策などに島をあげて取り組んでいます。たとえば島内の主要な観光地に新しく設置された観光案内看板には二次元コードがあり、それを読むと英語、中国語、韓国語バージョンで表示され、外国人観光客にもわかりやすく案内されています。また、中山地区には自動圧縮機能が付いたゴミ箱が設置されていて、観光客が増えるとすぐゴミ箱があふれるという問題にも対処しています。
豊かな自然や穏やかな気候という、瀬戸内の島らしい雰囲気も感じつつ、一方では人口も多く産業も豊富な小豆島。島のゆっくりした空気と都市の便利さの両方を感じられる島と言えるでしょう。交通手段の選択肢もいろいろあるので、旅のスタイルや目的に合わせて最適な方法を選んでください。また、アート作品のなかには、豊かな自然や島の産業と関連のある場所に設置されているものがたくさんあります。ぜひ、アートだけでなくその周辺の環境や、自然のもたらす音、香りなども一緒に感じて楽しんでください。